京町家の特長
こんにちは。
最初の投稿は、京町家の特長について書きたいと思います。
京町家は「うなぎの寝床」と呼ばれ、
外から見ると間口が狭く、一見、小ぶりな家に見えるけれど、
奥に長く部屋が続き、「思ったよりも広い」居室空間を
有しています。
京町家の魅力は何と言っても、各室の襖を開け放てば、
玄関側の部屋から庭まで一気に繋がる「水平性」と、
トオリニワという玄関(土間)から庭まで続く、
吹き抜けの空間が生み出す「垂直性」です。
<京町家の水平性>

<京町家の垂直性>

しかも、この「水平性」と「垂直性」は、非常に合理的に
考え抜かれた、平安時代から1000年以上の歴史を持つ
京町家の特長的な機能です。
まず「水平性」。
部屋が縦一列に並ぶ間取りは、戦後のハウスメーカー主導で
作られた現在の住宅の間取りとは全く異なり圧倒されます。
でも、この間取りには妙な懐かしさも感じるんですよね。
寺っぽさからなのか、日本人のDNAに組み込まれているのか。
この「水平性」は本当に理にかなっていて、
部屋が縦に並んでいるので、風通しが半端なく
良いです。短時間で換気でき、非常に高効率な空間設計です。
一方、トオリニワの吹き抜け空間が生み出す「垂直性」も
非常に合理的です。夏場、この吹き抜け空間のおかげで、
暖かい空気を吹き抜けの上部に上げ、冷たい空気が下に
下りてくるので、外気温に対し約3°C程度は室内の方が
温度が低くなります。
昨今の猛暑の中でも、熱帯夜を除けば、このトオリニワの
吹き抜け空間のおかげで、クーラーをつけなくても
寝ることができます。
自然の原理をうまく住宅に取り入れた、
本当に合理的な空間になっています。
ただ、夏に涼しいということは冬は、
この吹き抜け空間の効果で冷たい空気が下に降りてくるので、
現代の住宅よりは少し寒くなります。
これは、昔は、冬場は油などで暖を取ることができますが、
夏場はクーラーがないため夏の暑さを凌ぐ手段がなく、
自然の原理を利用して部屋を涼しくさせる構造を
取ったと考えられています。
このように、合理的かつ独特の意匠を生み出す
「水平性」と「垂直性」は京町家暮らしをする上で本当に
プライスレスなメリットでして、常に非日常空間を
味わえるだけでなく、「夏場の涼しさ」による
節電効果もあります。
この酷暑の日々でも、お盆を過ぎたら夜はクーラー無し
でも寝られるのは京町家ならではないかと思います。

