京町家の間取り
こんにちは。
今回は代表的な「通り庭型町家」の間取りについて記したいと思います。
玄関から庭まで伸びる通路のことを「トオリニワ(通り庭)」といいます。
キッチンの機能を持っており、吹き抜けになっています。
これは調理中の煙や蒸気が籠らないように拡散させるためです。
<トオリニワ>

火を使うため「火袋」と呼ばれ、「家の外」という扱いであったため、
写真のトオリニワには床が張ってありますが、オリジナルは床を張らず、
「たたき(三和土)」になっています。
また、トオリニワが「たたき」になっているのは、別の理由もあります。
昔、排水管がよく壊れるため、トイレを家屋内に設置せず、
「家の外(奥庭)」に設けていました。更に水洗トイレではなく
汲み取り式であったため、定期的に糞尿を奥庭から玄関まで、
トオリニワを通って運び出していました。
それゆえ、糞尿を運び出す時に、どうしてもこぼれてしまうことが
あるので、後から水を流して掃除できるようにトオリニワを「たたき」に
していたそうです。
トオリニワの説明が長くなり過ぎてしまいましたが、間取りとしては、
縦に部屋が並び、その横にはトオリニワ、というのが基本的な
間取りになります。(トオリニワは建物の東・南に配置)
名著「京町家カルテが解く 京都人が知らない京町家の世界」
(大場修 著, 株式会社淡交社, 2019) によりますと、7種類あるそうです。
本著に載っている7種の間取りを簡単にまとめたものが下図になります。

一番オーソドックスなタイプの1列3室型で説明したいと思います。
ミセノマは文字通りお店の空間。ダイドコはダイニング、
オクノマはお座敷(寝室)のイメージですね。
基本、全て床は畳ですが(畳の部屋が3室縦に並ぶのは圧巻です)、
ダイドコはトオリニワ側のみ板間になっており、
出来た料理を板間の部分に置いて、それを卓袱台に運んで
ダイドコでご飯を食べていたと言われています。
現在、私も同じ間取りの京町家で暮らしていますが、
動線はかなり合理的です。何より良いのは、調理中のにおいが
全く生活空間に来ないこと、襖を閉めれば部屋が個室に分かれ、
襖を開けば大部屋に変身するところです。
先人の知恵の結晶がこの間取りを生み出したんだなと感じています。

